気鋭アーティスト 尾花 賢一さん 県内初個展

上州の記憶、劇画タッチで
「ナイトライダー」テーマに約20点 
前橋・画廊翠巒で18日まで

前橋の画廊翠巒で、気鋭アーティスト尾花賢一さん(41)の県内初個展が18日まで開催中。「ナイトライダー」をテーマに劇画調の平面や木彫を発表している。

太田出身の尾花さんは現在、秋田県を拠点に活動。人々の営みや伝承、土地の風景や歴史から生成したマンガ形式のドローイングや彫刻を制作している。2019年にはアーツ前橋の地域アートプロジェクトの滞在制作に参加、昨年は若手作家の登竜門「VOCA2021」で最高賞のVOCA賞と、上毛芸術文化賞に輝くなど、目覚ましい活躍を見せている。

今展では覆面男を始め、車やバイク、草木などをモチーフにした約20点を展示。尾花さんは、「80年代の人気ドラマ『ナイトライダー』が大好きでした。夜に暴走する人々はどこか憎めない存在で、群馬も国定忠治や暴走族などアウトローが躍動してきた地。今展では、土地の記憶を基に虚構と現実を往来しながら一つの物語を創造しました」と話す。同画廊の梅津宏規さんは「現代アートは表現の仕方も問われますが、尾花さんは軽快な劇画調で今の時代を切り取っています。風刺が効いていてシリアスでありながらコミカルな奥深い世界を楽しんで」と呼びかける。入場無料。同画廊( 027-223-6312 )。

250号の大作「森の奥・そして」と尾花さん
「ナイトライダー」
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