歌舞伎が原作 義経と弁慶 描く黒沢映画

高崎電気館で

歌舞伎の十三代目、市川團十郎 白猿の襲名を受けて、高崎では、「襲名披露巡業」の公演や映画など、義経と弁慶を描いた作品に人気が集まっている。

高崎芸術劇場では、3月17日に、義経と弁慶を題材にした歌舞伎「勧進帳」(かんじんちょう)を演目に入れた公演が行われる(完売)。高崎電気館では、3月11、12日午後1時から「勧進帳」を原案にした映画「虎の尾を踏む男達」を上映。日本の伝統文化を味わえる機会になりそうだ。

高崎芸術劇場は、「十三代目、市川團十郎 白猿襲名披露巡業」を公演するがすでに完売。電気館で上映される映画「虎の尾を踏む男達」も問い合わせが寄せられている。同作は黒沢明監督によって1945年に製作、52年に公開されたもの。当時、時代劇スターだった大河内傅次郎が主役の弁慶を務め、黒沢映画には欠かせない藤田進が見張りの役人「富樫」を演じる。エノケンの愛称で広く全国に知られ、「日本の喜劇王」といわれた榎本健一が、元の作品にはない一行に付き添う「強力」(ごうりき)役として登場する。

同作は、源頼朝から追われる身となった義経と弁慶一行の「安宅の関越え」を描いたもの。戦争末期、黒沢監督が、「勧進帳」を原案に喜劇に仕立てた脚本として書き上げた。電気館は「よく知られた話を軽快なコメディにして、関所での問答やエピローグなど、緩急自在の演出で撮った黒澤明の傑作です。ぜひご堪能ください」と話す。一般1000円、高校生以下500円。英語字幕付。同館( 027-395-0483 )。

『虎の尾を踏む男達』©1945東宝
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