希有なる「画力」で勝負し続ける漫画家・小畑健の世界

「画業30周年記念 小畑健展NEVER COMPLETE」

展覧会キービジュアル ©ほったゆみ・小畑健/集英社 ©大場つぐみ・小畑健/集英社

現在、当館では『ヒカルの碁』『DEATH NOTE』『バクマン。』などの大ヒット作で知られる漫画家・小畑健の画業30周年を記念する原画展を開催しています。1989年に『CYBORGじいちゃんG』で「週刊少年ジャンプ」に連載デビュー。以来、原作者と組んで作画に専念する現在のスタイルを確立しその才能を開花させ、数々の名作を発表し続けてきました。

本展覧会は全体が3つのゾーンで構成されています。ゾーン1の「Manga」では彼の代表作といえる『ヒカルの碁』『DEATH NOTE』『バクマン。』よりストーリーを象徴する名場面や作画技術がより際立つシーンの原稿、、ゾーン2の「Illustration」では漫画作品の扉ページをはじめ、単行本カバー、他作品とのコラボレーションイラストなどのカラー原画を紹介。そしてゾーン3「NEVER COMPLETE」ではデジタル作画を取り入れ、精密描写でつくりあげた最新作『プラチナエンド』の制作過程や、本展のオリジナルテーマイラスト「NEVER COMPLETE」の展示など、1万5千枚を越えるアーカイブの中から厳選した約500枚を紹介しています。

『ヒカルの碁』 ©ほったゆみ・小畑健/集英社

小畑作品の魅力といえば美麗なイラストレーションといえるでしょう。研ぎ澄まされた線、鮮やかで時に柔らかい諧調をたたえた色彩で描かれたキャラクターは多くのファンを魅了します。画面からは個々のイラストのクオリティーの高さ、そして異なる世界観をより豊かに具現化できる想像力とストーリーに対する深い洞察力を感じることができます。

ぜひ会場で小畑健の進化し続ける画力と、それを支える飽くなき探究心を体感ください。

 

高崎市美術館 学芸員
谷津 淑恵 さん

跡見学園女子大学文学部美学美術史学科卒業。2000年より高崎市美術館に学芸員として勤務。「ウィリアム・ブレイクと神の世界」「3は魔法の数字」などを担当

■高崎市美術館(同市八島町110・27)■027・324・6125■3月28日まで■午前10時~午後6時(金曜日は午後8時まで、入館はいずれも閉館30分前まで)■月曜日および祝日の翌日休館(3月1、8、15、22日)■一般600円、大高生300円(中学生以下、65歳以上無料)■館内での「密閉・密集・密接」な状況を防ぐため、土・日・祝日および混雑時は、入場時間指定整理券配布を行う場合があります。詳細は高崎市美術館ホームページhttp://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2020091800011/をご確認ください

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