世代超え愛され続ける絵本ズラリ

「ようこそ絵本の世界へ」展

当館では現在、企画展「ようこそ絵本の世界へ」を開催しています。展示室やロビーには、世代を超えて愛されている絵本や明治・大正時代の珍しい絵本、しかけ絵本や外国の絵本など、たくさんの絵本を展示しています。

展示室内は3コーナーに分かれており、「日本の絵本史」では奈良時代・平安時代の絵巻や江戸時代の草双紙、明治時代のちりめん本などの資料を紹介しながら、現代にいたるまでの絵本の歴史を辿っています。『ぐりとぐら』や『ねずみくんのチョッキ』、『いないいないばあ』など、現在でも人気のある絵本も多数紹介しています。

「にしまきかやこの世界」では、絵本作家・西巻茅子氏(1939年~)の代表作『わたしのワンピース』のリトグラフ(石版画)を全場面分展示しています。「ラララン ロロロン・・・・・・」のフレーズで有名なこの作品は、発売から50年以上経ちますが今でも多くの方々に愛されている作品で、展示室ではその世界に十分浸っていただけると思います。

『わたしのワンピース』にしまきかやこ/作(1969年、こぐま社)

「野村たかあきの世界」では、前橋在住の絵本作家・野村たかあき氏(1949年~)の絵本作品を多数紹介すると共に、野村氏が絵を手がけた『ないたあかおに』(浜田廣介原作)の絵本原画を、こちらも全場面分展示しています。また、絵本版だけでなく、紙芝居版『ないたあかおに』原画も数点展示しており、絵本版と紙芝居版の絵の描き方の違いなども楽しんでいただけます。

そのほか、クイズやぬり絵などの参加型企画、アニメのDVD上映、写真撮影ができるスポットなどもあり、お子さまから大人の方まで楽しめる展覧会となっておりますので、ぜひこの機会に足をお運びください。

『講談社の名作絵本 ないたあかおに』浜田廣介/原作 野村たかあき/絵(2013年、講談社)

県立土屋文明記念文学館 学芸員
神戸 道子 さん

みどり市(旧笠懸町)生まれ。2014年4月、県立土屋文明記念文学館学芸係として赴任。これまで「金子みすゞの世界」展(2018年)、「ごんぎつね」展(2019年)、「宮沢賢治」展(2021年)などを担当

県立土屋文明記念文学館(高崎市保渡田町2000)■ 027-373-7721 ■9月19日まで■午前9時半~午後5時■火曜休館■一般500円、大高生250円、中学生以下無料■9月4日午後2時から、担当学芸員による展示解説会

掲載内容のコピーはできません。