酷暑と天日干し [群馬で迎える初めての夏。「暑いよ」とは聞いていたけれど…]

群馬で迎える初めての夏。「暑いよ」とは聞いていたけれど、軽々と想像の上をいく酷暑ぶりに見舞われ、溶けそうな暑さとは、まさにこういうことか……としみじみしながら、7月を迎えた。

伊勢崎で今年一番の暑さとなる40・4度を記録するなど、館林や前橋、桐生といった群馬県内の観測地点の最高気温が全国上位を占めるニュースが連日流れる夏。長野の実家や各地に住む同僚や友人のほか、上海の知人たちからも「群馬の夏、大丈夫?」とメッセージが届くほどだ。9日には全国高校野球選手権群馬大会が開幕する。新型コロナウイルスの感染予防とともに、熱中症予防にも配慮しての、暑い熱い夏になりそうだ。

燃えたぎるような太陽を見ながら、ハタと思い出したのが6月に仕込んだ梅の小瓶の存在だ。人生初の梅干し作りに挑戦した今年。塩でもみ込んだ青梅に赤紫蘇を投入、重しのビンをのせて納戸で保管すること約3週間。「土用干し」にはまだ早いかと思ったが、梅干し作りの大先輩の母から「もう干しても大丈夫」とゴーサインが出た。晴天の日の朝、いそいそと竹ざるに梅を一つ一つ載せて、ベランダに出したのだった。

ほんのり紅色に染まった梅は、なんとも美しい。数時間おきに観察してしわの寄り具合を鑑賞した。だが、2日目の昼。雷の音とともに突然の雨が。急いで取り入れ、今はリビングの床の上で乾燥させている。暑さがやわらいでほっと一息だが、梅干しのために、太陽の日差しが早速恋しくなっている。

丸一日天日干しして、
しわが寄ってきた梅干し

(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)

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