群馬のおもてなし [行楽日和の晴天に恵まれた先週末、家族とともに伊香保温泉に出かけてきた…]

行楽日和の晴天に恵まれた先週末、家族とともに伊香保温泉に出かけてきた。転勤が多い職業柄、高松、横浜、東京、上海と、私の赴任先は家族にとっては絶好の旅行先となる。今回は高崎駅で両親たちと合流し、車で一路伊香保へ。関越道で渋川伊香保インターを下りると、伊香保へ向かう道路はすでに渋滞気味。到着前から新型コロナの水際対策の大幅緩和と全国旅行支援の実施で、観光地に客足が戻ってきているのだと実感した。

ホテルにチェックインして周囲の山々を見ると、ところどころ紅葉が始まっているのがよく見えた。最近まで暑い暑いと言っていたけれど、季節は確実に巡っているのだな…。そんな話をしながら、伊香保温泉の源泉「黄金の湯」へ。優しくじんわりと身体を包み込むようなやわらかなお湯あたりに、いつまでも入っていたくなる癒やしの時間を堪能した。

翌日は榛名湖一周ドライブウェーで榛名富士を眺めてから、水澤観音へ参拝に。境内にある樹齢700年の水沢の観音杉は生命力みなぎる壮観な立ち姿。寺の近くに並ぶ日本三大うどん「水沢うどん」の店はどこもにぎわっており、その活気も楽しみながら、つるつるの麺を味わった。

帰る日の朝、山肌を見ると紅葉の赤色が鮮やかさを増しているように見えた。高齢の両親は伊香保名物の石段は「見るだけで十分」と登らなかったが、温泉に紅葉に、群馬の秋のおもてなしを満喫することができた。

水澤観音の境内。静謐(せいひつ)な空気に包まれていた

(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)

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