謹賀新年 [2023年がやってきた。うさぎのように、長い耳で情報をキャッチし…]

2023年がやってきた。うさぎのように、長い耳で情報をキャッチし、跳躍力で目標に向かってジャンプするような一年にしたいなと、初日の出を見ながら思いを新たにしたお正月だった。

今年は久しぶりに長野県の実家で年末を過ごした。ここ数年、年が明けてから帰省することが続いていたので、新しい年を迎える準備の慌ただしさを、改めて実感した年の瀬だった。

大掃除は、障子の張り替えから窓ガラス拭き、お風呂場や洗面所といった水回りの拭き掃除、軒先のすす払い、と、ほぼフルコース。身体のあちこちが痛くなった。昔は石臼に杵でついていたお餅も、今は餅つき機がフル稼働。水に浸した糯米(もちごめ)を餅つき機に投入し、親戚に届ける切り餅を次々と仕上げていく。できたての餅を丸めての鏡餅作りは、本当に久しぶりだったので、母に丸め方を教わり手を真っ白にしながら格闘した。

実家では、大晦日の夜に切り昆布や大根、にんじん、ゴボウ、里芋など根菜類をたっぷり入れたしょうゆ味の椀ものを食べる。今年こそはこのレシピを覚えたいと思っていたが、大掃除と切り餅担当で疲れ果て、気づけば鍋いっぱいにおいしそうにできあがっていた。

慌ただしい年の瀬だったが、その分、新しい年を迎える気分が高まったように感じる。晴天となった元日の初日の出が、よりまぶしく見えた。

今年もよろしくお願いいたします。

根菜類たっぷりの椀もの。大鍋で作るからこそのおいしさを味わえる
きらきら輝く初日の出

(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)

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