冬の四文字熟語 [雪が積もったと思ったら、春の日差しが注ぎ、そしてまた真冬のコートを着込んで出勤…]

雪が積もったと思ったら、春の日差しが注ぎ、そしてまた真冬のコートを着込んで出勤……。ここ数日の天気と気温の変化の大きさに体調を崩されている方も多いと思う。立春も過ぎて春の足音を感じつつ、週間天気予報を見るたびに頭に浮かぶのが「三寒四温」の四文字だ。

本来は冬の気候を表す言葉だが、最近は春先の周期的に変わる気候の時に使われることが多くなっている。3日寒い日が続くと、次は4日暖かい日が続き、だんだん春がやってくる。なんとなく心が浮き浮きしてくる四文字だ。

今年は雪がよく降る冬だ。前橋市内も雪景色となった日の昼どき、傘をさして市中心部をあちこち歩いてみた。柳の枝と雪が風に揺れる様が幻想的な広瀬川、松と芝生にふかふかの雪が積もり静謐な空気を漂わせる群馬会館、粉雪がアーケードの屋根の切れ目から降り注ぐ中央通り商店街、少し嬉しそうに雪空を見上げて歩く人たちを見守るけやき並木……。市中心地には教会も多く、それぞれの教会の雪景色もまた見事だった。降りしきる雪の中、スノーシューズを履いて普段より静かな町を散歩するのは、なんとも楽しかった。

ほかに冬に頭に浮かぶ四文字熟語と言えば「頭寒足熱」だ。東洋医学では、冷えを防ぐために足元を暖めて頭は冷やす、という考え方がある。上海での暮らしの中で、中国の人たちの暮らしはまさに頭寒足熱を実践していると感じた。当時から使っている湯たんぽは、この冬も大活躍中だ。

夕暮れ時の教会と雪景色は、より幻想的
群馬会館の雪化粧は翌日にはすっかり溶けていた

(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)

掲載内容のコピーはできません。