ただいま帰りました [長い裾野が広がる赤城山の雄大な姿は、子どものころの記憶のままでした…]

長い裾野が広がる赤城山の雄大な姿は、子どものころの記憶のままでした。久しぶりに群馬県に帰ってきて、その美しい山容を遠くに望むと、胸がじんわりと温かくなりました。ああ、故郷に帰ってきたんだな、と。

10月1日付で総局長に着任しました。玉村町生まれ、藤岡市育ちです。52歳。33年ぶりの群馬県在住となります。

高校時代は、東京農大二で野球部に入っていました。私自身は大した選手ではありませんでしたがチームメートのおかげで、1989年の夏の甲子園に出場しました。当時は、自宅と学校・グラウンドを自転車で往復するという日々でした。野球を通じて、うれしかったり、苦しかったりといった記憶はありますが、しかし改めて思い返してみると、群馬という土地のことを、実は、てんで私は知らないことに気がつきました。

記者は赴任した土地のことを色々な人からうかがっているうちに、とても詳しくなります。もしかしたら地元の方より魅力を語れるようになることもあります。私は東京と大阪本社のほか、広島県福山市、和歌山市、神戸市、京都市で勤務してきました。それぞれの土地のことを学ばせていただき、大好きになりました。「第二の故郷」がたくさんできました。

「力あわせる二百万」。私が上毛かるたを覚えたころは「百八十万」でした。変わりゆく群馬の実相を、変わらぬ故郷の魅力を、みなさんに改めて教えていただきながら、総局の仲間たちとともに、しっかりとお伝えしていきたいと思います。

総局の窓から望む赤城山

(朝日新聞社前橋総局長 八木 正則)

 

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