文化の灯、絶やさぬために [美しい歌声、力強い歌声、工夫・奇想をこらしたパフォーマンスに、すっかり魅了されました…]

美しい歌声、力強い歌声、工夫・奇想をこらしたパフォーマンスに、すっかり魅了されました。10月8日に前橋市で開かれた第78回関東合唱コンクール(全日本合唱連盟関東支部、朝日新聞社主催)の大学職場一般部門。群馬など9県から計31団体が出場しました。

連盟役員の方の言葉が印象的でした。「コロナ禍で練習ができなかったり、活動そのものができなくなったりしたこともあったことでしょう」。苦難を乗り越えての晴れ舞台。結果発表の際、会場で歓声をあげる団体のメンバーも。「4年ぶりに聞く歓声です」。役員の方がしみじみとおっしゃっていました。

総局長に着任してから様々な団体の方々とお会いします。コロナ禍は厳しい時期から脱し、日常の風景が戻ってきました。みなさん、そんな「当たり前」に感謝したいとおっしゃいます。

私の前の職場は大阪本社の高校野球総合センターでした。3年前の夏の甲子園は残念ながら中止となりました。2年前は関係者を除き無観客で開催。昨年は有観客で開催できましたが、開会式の行進は主将だけとするなど影響を受けました。選手からは「開催してくれてありがとうございます」との言葉を度々もらいました。ようやく今夏は例年通りに開催できました。

頑張った成果をぶつける場所がなくなってしまっては、やり場のない思いは募るばかりです。10月に入り、急激に冷えてきました。インフルエンザも懸念されます。これまでの教訓を生かしながら、スポーツや文化の灯を絶やさぬよう、裏方で運営を支える人たちの活動にも注目したいと思います。

(朝日新聞前橋総局長 八木 正則)

 

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