太田工業高校 自動車研究部

部活道に取り組む県内の中学高校生の笑いあり、涙あり、明るく、元気に、真面目に、がむしゃらに…仲間とともに過ごす青春の1ページを全力MAXで紹介します!

 

 

太田工業高校自動車研究部の部員たち。撮影場所は学校の部室。ほとんどの活動をここで行う。中央は第13回群馬県高校生電気自動車大会での優勝車両

苦心し作り上げた車が走る達成感

石井 暖大(機械科3年)

太田工業高校自動車研究部は1990年に創部され、現在は3年生2名、2年生10名、1年生2名で活動しています。週6回、放課後は4時から6時、土曜日は午前中に活動を行っています。部員同士の仲がよく、普段は和気あいあいとした雰囲気ですが、作業時には緊張感を持って取り組んでいます。旋盤や溶接など、工業高校でしか味わうことのできない、ものづくりの楽しさを知ることができる部活です。

主な活動は、毎年12月中旬に開催される群馬県高校生電気自動車大会に向けた車両製作です。この大会は、規定のモーターとバッテリーを用いて1人乗りの車両を製作し、1周256メートルのコースを30分間でより多く周回する競技です。今年度は「大会6連覇、上位独占」を掲げ活動しました。

車両製作は、フレームや車軸、制御回路といったものを、各班に分かれて一から製作します。効率よく走らせるためには精度の高い部品が求められますが、お金をかけるのではなく「技術を磨き工夫して良いものを作ること」が部としてのモットーです。過去の製作で出た廃材などを再利用して仕上げた部品を、最終的に全員で協力して組み立てます。組み上がった車両は校内で走らせ、得たデータで再度車両を調整。ミスが生じても作業工程を工夫したり、仲間と相談したりして車両を完成させていきます。完成車両を初めて走らせたとき、「苦心して作り上げた車が走った!」と達成感を感じました。

今年度の大会では事前に施した足回りの調整やギヤセッティング、試験走行のデータを活かし、優勝、準優勝を飾ることが出来ました。後輩には、現状に満足することなく、今後もより高い目標を掲げ、技術や伝統の継承をしてもらいたいと思います。

車軸を汎用旋盤で加工しているところ。
材料は過去の製作で出た廃材などを再利用
車両走行試験。完成した車両を走らせ
データを取りながら何度も調整する
昨年12月の第13回群馬県高校生電気自動車大会の時の様子(左から1番目と5番目は太田工高)。30分間走行し周回数を競う
車体フレームを溶接作業で製作しているところ。技術は先輩から指導を受けて習得する。
写真はほぼ完成した時の様子

県高校生電気自動車大会 6連覇

副部長 寺島 涼
(電子機械科 3年)

昨年12月17日に前橋工高前駐車場で開催された群馬県高校生電気自動車大会に出場し、6連覇を達成しました。今回、わが校からは3台がエントリー。私は足回り担当として、走行時の安定性を確保するため「できる限り精度の良いタイヤ製作」に取り組みました。スポークを張ったりバランスを整えたりという作業を、毎日昼休みを使ってまでして行いました。
大会では参加全27台の中で、太田工高の2台が優勝と準優勝を獲得することができました。しかし、それらの車両にも改善の余地があります。不具合や変更が生じたとき迅速に交換・整備をしなくてはいけません。例えば本番前の試験走行後に、モーターからタイヤに動力を伝達する「ギヤ」の組み合わせを変更しなければならない時には、部品の取り外しやチェーンの調整などに多くの時間がかかってしまいます。後輩には、もう少しスムーズに作業ができるようさらに練習を積み重ね、来年度の大会でも上位を独占できることを期待します。また、電気自動車以外の大会出場など新たなことにも挑戦し結果を残してくれることを願っています。

大会競技後の集合写真。中央が優勝車両。左が準優勝車両
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