マイケル・パーカー


バスケットボール男子Bリーグ2部、群馬クレインサンダースの選手に注目したコラム。

「B1トップレベルのチームにするのが僕の役目」

12月5日の青森戦後に、チームメート全員でパーカー選手(右から4人目)の誕生日を祝った/ヤマト市民体育館前橋=群馬クレインサンダース提供

12月6日にヤマト市民体育館前橋で行われた青森ワッツとの試合に118対81で勝利し、チーム最多得点記録を塗り替えただけでなく、チーム最多連勝記録15タイに持ち込んだ。12月6日現在、B2リーグ首位を独走中。その好調なチームを支えているのが、平岡富士貴ヘッドコーチ(以下、HC)が「チームの心臓」と呼ぶマイケル・パーカー。日本国籍を取得している帰化選手だ。パーカーは、今季、B1の強豪・千葉ジェッツから期限付き移籍でサンダーズに加入した。

でもなぜ、日本バスケットボール界のレジェンドと言われるパーカーが、B2のサンダーズを移籍先に選んだのだろうか。今季、開幕前のオンライン記者会見でパーカーはこう答えている。

「このチームの将来が明るかったからさ。僕は、高いレベルとは言えないチームを何度も上に押し上げてきた経験を、もう一度この群馬でしたいんだ」と語り、こうも付け加えた。「群馬をB1のトップレベルのチームにするのが僕の役目」

ここまでの15連勝の中には、終了間際に同点に追いつかれ、延長戦に持ち込まれたことも、試合終了ギリギリにシュートを決めて勝ち抜いた試合もあった。決して楽な試合ばかりではなかったが、終盤の接戦で得点を決めてチームを勝利に導いたのもパーカーだった。

そんな彼をチームはどう評価しているのだろう。
「試合中、チームが流れに乗れないときや、相手にシュートを決められたとき、負けているときに、マイクがみんなに声をかけてチームを鼓舞するんです。『このままじゃだめだ。何をやっているんだ』って。それで、気持ちが切り替わりチームとして同じ方向に向けるようになる。チームのキーマンです」(上江田勇樹)。
「彼のすごいところは、誰よりもエナジー(エネルギー)を持って試合に臨めること。試合中、どんな逆境に立たされても、ベンチに帰ってくればネガティブなことは絶対に言わない」(平岡HC)。

パーカーはこれまでのプロのキャリアの中で、決してネガティブになったことはないという。

「気持ちがネガティブになることで、勝てるゲームはない。ポジティブに替えることで、たとえ不可能な状況でも勝てるようになる。僕はそのようなゲームを何度も経験しているんだ」

勝者のメンタリティーをチームに注入するパーカーが核となり、チーム創設9年目でB1昇格が現実のものとなりそうだ。12月5日に39歳になったばかりのパーカーの奮闘はこれからも続く。

マイケル・パーカー

1981年12月5日米国生まれ。2008年にライジング福岡に入団してからずっと日本でプレーし続け、日本国籍も取得。今季は、B1の強豪・千葉ジェッツから期限付き移籍で群馬クレインサンダーズに加入。得点王4回、スティール王5回、MVP選出など、数々のタイトルを獲得した日本バスケットボール界のレジェンド。200㎝・102㎏。

https://g-crane-thunders.jp/

〈次回のホーム戦〉
VS仙台89ERS
12月12日(土)午後5時、13日(日)午後2時、 ヤマト市民体育館前橋

掲載内容のコピーはできません。