ぐんまに南国フルーツブーム到来?!

まもなく収穫

「完熟まであと少しです」と笑顔を見せながら太田産マンゴーをPRするやなぎた園の柳田皓治さん

マンゴー、パパイヤ、ドラゴンフルーツ―熱帯のイメージの果実だが、実は群馬でも栽培されている。今週は太田で完熟マンゴーを栽培する「やなぎた園」、板倉で青パパイヤの普及活動を行う花苗店「海老屋フラワー」、昨年から本格的にドラゴンフルーツの販売を開始した富岡の「マルイ農園」など、夏から秋にかけて収穫・販売の時期を迎える農家を紹介する。

マンゴー
ボックス&漢方薬 こだわりの栽培で

■太田のやなぎた園■

北関東道・太田桐生ICの南側。園芸用ハウス4棟の中に、155本のマンゴーの木がずらりと並ぶ。

甘みと酸味のバランスが良い完熟マンゴー

生産しているのは、前職が介護福祉士という柳田皓治さん(34=太田)。「もともとマンゴー好き」という柳田さんは、市内の老人福祉施設で利用者と園芸活動を行ううちに農業に興味を持ち、「自分の手掛けた作物で多くの人に喜びを与えたい」と7年前に転身した。ネットで栃木のマンゴー農家を知り、専用の鉢で「ボックス栽培」を行う「こまき園」に弟子入りした。鉢内に細い根がびっしりと張ることで木の成熟が早まる上、栄養分をしっかりと吸った果実ができるという。

もう一つ柳田さんが取り入れているのは、漢方専門薬局の星野英明氏(栃木)が提唱する「漢方未来農法」。農薬や化学肥料を一切使わない代わりに、人間にも使われる漢方薬を調合し土にまいたり樹に散布する方法で、害虫を殺すのではなく逃避させたり、土壌内の微生物の環境を整えたりする。

収穫直前のマンゴー

マンゴーはウルシ科。1本の木から35~40個収穫できる。同園では沖縄や宮崎と同じアップルマンゴーを中心に栽培。柳田さんは「甘みと酸味のバランスが良く味が濃いと好評。繊細で地道な作業は大変ですが、今後も生産数をさらに上げ、太田産マンゴーの魅力を広めていきたい」と意気込む。完熟マンゴーは家庭用税込1200円~。贈答用もあり。7月上旬から収穫開始。完全予約制でなくなり次第終了。現在、LINE「やなぎた園」で購入希望者を募集中(出荷体制が整い次第、個別に連絡)。同園HP(https://yanagitaen.com/)へ。

 

青パパイヤ
高さ3㍍の巨大な木に

■板倉の海老屋フラワー■

板倉の花苗店・海老屋フラワー(増田弓子代表)では、10年ほど前から青パパイヤの栽培を始めた。元大学助教授の増田秀雄さん(77)は、退職後、何か変わったもので町おこしをしたいと思っていたところ、青パパイヤの苗をたまたま仕入れた。育ててみたらその成長の早さに感動。栄養価も高いので夏場に高温になる気候を生かして栽培すれば地域活性化につながるのではと、生産を増やしていき、現在1200坪の農地で生産に励む。

パパイヤはトロピカルフルーツの代表だが、熟す前の青パパイヤにはたんぱく質を分解する酵素やポリフェノールが多く含まれており、近年注目されている。春に苗を植えると秋にはラグビーボールほどの実を20~30個ほどつける。増田さんは乾燥させたパパイヤ茶や、茶葉を混ぜた麺も開発した。

一方、娘の藪之本佳奈子さん(42)も、青パパイヤの普及活動を行っており、1日に開かれた「県商工会青年女性経営者の主張大会」で「青パパイヤで地域振興」をテーマにした発表で優勝した。

9月ごろから館林の農産物直売所ぽんぽこなどで販売開始予定。同店(0276 ・70 ・4070)。

ドラゴンフルーツ
良いものを低価格で

■富岡のマルイ農園■

富岡のマルイ農園(伊早坂博隆代表取締役)の園主・伊早坂進さん(74)は、5年前からサボテン科のドラゴンフルーツ栽培。昨年から本格的に販売を行う。糖尿病予防や健康食品として注目されていると知り「これからの食材だ」と導入した。苗はドラゴンフルーツの品種改良が進んでいる台湾から輸入。伊早坂さんは「糖度も高く、地元で働くタイの研修生が本場よりおいしいと言っていた。リピーターが増えるよう、良いものを低価格で提供していきたいですね」と話す。

果肉は白と赤の2種。7月下旬から1月ごろまで販売予定。同園(0274・67・7090、HP=https://marui-doragonfruit.shopinfo.jp/

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