ぐんまのイチゴ新スポット 玉村&伊勢崎

イチゴのおいしい季節がやってきた。県内の産地でも、収穫したての新鮮なイチゴの直売や収穫体験がスタートしている。昨年12月に玉村で移転オープンした観光農園「フレッシュベリー」と、伊勢崎で開業した「かがやきいちご園」を紹介。(上原 道子)

玉村 フレッシュベリー
354バイパス沿いに移転
便利なドライブスルー直売所

直売所の隣に建つハウス内で色づくイチゴ。
販売用のイチゴを栽培中

玉村町の観光イチゴ園「フレッシュベリー」は昨年12月、国道354号バイパス沿いに移転オープン。ハウス隣接の直売所が連日にぎわっている。

昨年、開業10周年を迎えたのを機にロゴを一新。新しい直売所ではスムージーやいちご大福などの加工品販売も始めた。また、店舗は県内でも珍しくドライブスルー対応になっている。〝車社会〟の群馬にふさわしく、今月下旬頃には、乗車したまま注文から受け取りまでができるようになるという。

イチゴは全体の8割が、県育成品種のやよいひめ。大粒で糖度が高く、酸味とのバランスも良いと好評だ。このほか、ジューシー、紅ほっぺ、かおり野、もういっこ、あまおとめを栽培。全種類ともステビア栽培(南米原産の植物を土に混ぜる農法)を取り入れているため、糖度が上がり日持ちの良い果実ができるという。

同園代表の種岡義行さん(48=玉村)は18年勤めた会社を、県内の営業所がなくなるのを機に退職。以前から興味を持っていた農業への転身を決意した。藤岡の農家で1年間修業した後、2012年に同町内で開業。1年目、県の品評会でいきなり「金賞」を受賞するとその後も毎年のように賞を獲得するなど実績を上げている。また、近年は種岡さんに弟子入りし、独立する人も。さらに、同町のふるさと納税返礼品にも登録され、全国からも注目を浴びている。

創業当時からのファンだという阿部朋子さん(65=玉村)と妹の木原晶子さん(56=高崎)は、「種岡さんの真面目に頑張っている姿勢が味に表れている。甘さやジューシーさが最高ですよ」と話す。種岡さんは「お客さんの笑顔が見たくて心を込めて育てています。やよいひめは3月にかけてどんどんおいしくなるので自慢のイチゴを食べに来て」と呼びかける。

全国でも珍しい、ドライブスルー方式の直売所。車から降りずにイチゴやスイーツが購入できる
移転オープンにあたり一新したロゴ(中央)をバックにほほ笑む種岡さんと妻のひとみさん。三つの星マークは3年連続金賞の受賞歴を表している。種岡さんは「資金調達や物件探しなどゼロからのスタートだった。雪害も経験し苦労もあったが、『美味しい』と言ってもらえるイチゴを作ることができて今は幸せ」と話す

■Fresh Berry
佐波郡玉村町斎田55
定休日:火曜
電話:0270-55-4517
インスタグラム: freshberry201212
※今季のいちご狩りは休止

伊勢崎 かがやきいちご園
家庭菜園から出発
1年目で金賞受賞

5連棟の広々としたハウス内で自慢のイチゴをアピールする齋藤さん

伊勢崎市に昨年12月、観光農園「かがやきいちご園」が新規オープンした。

代表の齋藤大輝さん(34)が、5連棟の広々としたハウスで愛情込めて栽培するのは、やよいひめを中心に、ジューシー、紅ほっぺ、ふさのか、かおり野の5品種。温度管理から収穫のタイミングまでこだわった高品質なイチゴは、園名のとおり輝きを放つ。

隣接する店舗では直売のほか、食べ放題(午前のみ)も楽しめる。市内の阿佐美綾華さん(30)、侑己ちゃん(4)親子は、「初めて直接買いに来た。食べるのが楽しみ」と話した。

齋藤さんは食品メーカーで7年勤務。長男誕生を機に東京からUターンし、野菜農家である実家を手伝う一方、イチゴが大好物のわが子のためにと家庭菜園を開始。味を追求するうちに栽培の楽しさにのめり込む。県内でも評判のいい「フレッシュベリー」(玉村)のイチゴに感動し3年前の春、種岡さんに弟子入りした。今年1月の県品評会では初出品の「やよいひめ」が金賞、「かおり野」が銅賞を獲得。

齋藤さんは「味のこだわりはもちろん、栽培にかける熱意、ロゴやパッケージなど、全体を含めてファンになってもらえたら」と意気込む。

 

今年1月の県いちご品評会で金賞を受賞した齋藤さんと「やよいひめ」。妻の由希さん(左)が手にするのは、こだわりのパッケージ。齋藤さんの元同僚でイラストレーターの「ホリプー」さんと「しばたま」さんが手掛けた

■かがやきいちご園
伊勢崎市香林町1-531
定休日:元日、火曜
電話:0270-71-6965
インスタグラム : kagaichi_2022
※いちご狩り(午前のみ): 30分食べ放題、完全予約制

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