時を超え、魅了する うるわしき薔薇の肖像

「 うるわしき薔薇 ルドゥーテ『バラ図譜』を中心に 」

ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ《ロサ・ケンティフォリア・フォリアケア》(1820年、『バラ図譜』より、コノサーズ・コレクション東京蔵)

当館は約半年の休館を終えて今月9日、再開館しました。その最初を飾る企画として、「うるわしき薔薇 ルドゥーテ『バラ図譜』を中心に」と題したバラをテーマとした展覧会でみなさまをお迎えします。

18世紀末から19世紀前半にかけてフランスで活躍した画家ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテは植物画を専門とし、たくさんの図譜を手がけました。植物図譜とは、現代でいう植物図鑑のようなもので、18世紀当時は植物を正確に写生した原画から版画が作られて出版されていました。こうした版画は現在では優れた美術作品として人気を集めているジャンルです。なかでもルドゥーテが169図のバラを描き、多色刷点刻銅版画で出版した『バラ図譜』(1817~24年)は、史上最も美しい植物図譜のひとつと言われています。今回はこの『バラ図譜』より122点をご紹介します。

『バラ図譜』が制作された時代は、ヨーロッパのバラを中国など異国からきたバラとかけあわせ、園芸品種が盛んに作出された時期でもありました。ルドゥーテ自身もバラを好み、育てていたと言われています。本展では当時のフランスのバラ愛好の歴史的背景にも着目し、ルドゥーテが描いたバラの作品を、解説とともにお楽しみいただきます。

また、1980年代の園芸ブームのなか出版された『ばら花譜』(平凡社)のために植物画家二口善雄が描いた、日本に自生する野バラや昭和時代に作出された日本のバラなどの原画をご紹介します。さらに、桐生生まれの写真家石内都が独自の視点でバラの生を捉えたシリーズ《Naked Rose(ネイキッド・ローズ)》(2005~06年)より映像作品を含めた23点を展示します。あわせて約160点のバラのイメージが咲き乱れる会場を、ぜひ訪れてみてください。

県立近代美術館 学芸員
佐藤 聖子 さん

東北大学大学院、ロンドン大学・コートールド美術研究所修了。2002年より群馬県立近代美術館に勤務。「石内都Infinity」(2009年)、「シャガール版画展」(2011年)、「THE ART SHOW」(2017年)、「西洋近代美術にみる神話の世界」(2020年)などを担当

県立近代美術館(高崎市綿貫町992・1)■027・346・5560■8月28日まで■午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)■月曜休館(18日、8月15日は開館)、7月19日は休館■一般800円、大高生400円、中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1人は無料■新型コロナウイルス感染症拡大の状況によって、変更がある場合があります。ご来館の際は当館HP(https://mmag.pref.gunma.jp/)をご覧ください。

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