旅立ちの日 [きょう1日は、県立高校などで卒業式が行われる…]

きょう1日は、県立高校などで卒業式が行われる。見慣れた教室、通い慣れた通学路も今日で最後。気の合う仲間たちと過ごした日々に別れを告げ、それぞれが新たな道へと旅立つ日だ。

私が高校を卒業したのはもう30年も前。まだ大学の合格発表前で進路が決まらず、ふわふわと落ち着かない中「卒業」するということに戸惑いしかなかった記憶がある。その日、寒さが和らぎ始めた前橋の街で、遅くまで食事とカラオケで別れを惜しんだ部活の仲間たちとは、顧問も交え今も時々集う。だが、またねと別れたきりの同級生がほとんどになることに、当時は全く気付かなかった。さよならだけが人生だというけれど、何度経験しても、いくつになっても、この寂しさになかなか慣れない。

けれど、思いがけないことから、時を経てまた縁が繋がるような経験も何度かした。縁というのは不思議だ。今日という別れがあって初めて出会えるものもある。未来に向かって歩む若者たちの旅立ちに、心からエールを送りたい。

そして、本日付の紙面で朝日ぐんまの休刊が発表となった。スタッフの中で一番勤続年数の浅い私がいうのも何だが、これまでのご愛読ありがとうございました。さよならの日まで、次号も最終号もお楽しみください。

(塩原亜希子)

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