早く起きた朝は [もう9月になるというのに、酷暑が続く。今日も暑くて目が覚めた…]

もう9月になるというのに、酷暑が続く。今日も暑くて目が覚めた。時計を見ると朝の5時半。もう少し眠ろうか、でも暑い、でもまだ朝早いし……。窓を開けてみると、朝の日差しと涼しい風が吹き込んできた。明らかに外の方が気持ちよさそうだ。

よし。気持ちを決めて起き上がる。ランニング用に新調したシューズを履いて、朝の街に飛び出した。

外に出たとたん、涼しい風に全身が包まれる。普段は子どもたちの声でにぎわう通学路はまだ静まりかえっている。大きな足音を立てないよう、ゆっくり歩き始める。朝日に照らされた家々の屋根や軒先のアサガオがきらきら光っている。普段の街の風景が違って見えて、伸び伸びした気持ちになる。

大通りに出ると、ランニングや散歩している人がちらほら。お互いあいさつを交わしながらすれ違うのも、なんだか新鮮だ。

利根川沿いのサイクリングロードをゆっくり歩き、橋を渡ると、近くの公園から懐かしい音楽が聞こえてきた。夏休みになると毎朝聞いたラジオ体操のオープニングテーマだ。時間はちょうど午前6時半。見ると、公園のあちこちでラジオに合わせて身体を動かす人たちが。私もその輪の端っこに入ってみた。こんなに全身を動かす体操だったのかと、発見も多い。何より最後の深呼吸が本当に気持ちよかった。

早く起きた朝の散歩、これからの日課にしてもいいかもしれない。

朝の前橋公園。夕日に照らされた風景も好きだが、朝はエネルギーに満ちた空気に包まれていた

(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)

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