音合わせとは心合わせ [仲間と心を合わせることの大切さを教えてもらった気がします…]

仲間と心を合わせることの大切さを教えてもらった気がします。高崎市の高崎芸術劇場で3、4日に開かれた第29回西関東アンサンブルコンテスト(西関東吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)。中学、高校、大学、職場・一般の各部門で、新潟、群馬、山梨、埼玉の4県の代表計84団体が出演しました。会場には能登半島地震で被災した吹奏楽関係者を支援するための募金箱も置かれていました。

被災地では練習場所や楽器が使えなくなったケースもあったと聞きます。今回のコンテストでも、地震の影響で校舎が使えなくなった新潟市立坂井輪中学校の木管三重奏チームが参加しました。練習環境がいつもと異なり、不安もあったことでしょう。それでも3人で息を合わせ見事に演奏する姿を見ると、胸に迫るものがありました。曲は福島弘和さん作曲「Satellite(サテライト)~遠く離れた友へ」。東日本大震災で生徒が別れて学校生活を送る高校からの委嘱で作られた曲です。

アンサンブルは少人数の演奏で、指揮者がいません。音を合わせるのは演奏者同士です。私は吹奏楽の経験がほとんどなく、一体どうやって合わせるのか吹奏楽連盟の役員さんに尋ねたら、「お互いの気配です」と教えてくれました。

きっと何度も練習する中で仲間と信頼感を高めて気配を感じ取り、心を合わせることにより、音も合うのだろうと思いました。舞台袖で出番前の様子を見ていると、手を合わせたり、目線でタイミングを取り合ったりして気持ちを合わせ、音を合わせる準備をしていました。そんなアンサンブルコンテスト。全国大会は3月20日に高崎芸術劇場で開かれます。

西関東アンサンブルコンテストの出演者=高崎芸術劇場

(朝日新聞前橋総局長 八木 正則)

 

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